2004.03.09 Tuesday

「FINE DAYS」「イエスタデイズ」「眠りのための暖かな場所」「シェード」

「FINE DAYS」
高校三年の僕は、学校中の女子生徒の頂点に君臨している安井と仲が良く、校舎屋上での喫煙仲間でもある。そして生粋のいじめられっ子だが、僕と安井と話すようになり、いじめられっ子を卒業した神部画伯。彼ら三人は、当てもなく漂流するいかだに乗っているみたいだが、思い思いに時を過ごしていた。そこにある噂を引っさげて、一学年下に彼女が転校してきた。美少女の彼女に何か事を起こすと、たたられるらしい。

「イエスタデイズ」
売り言葉に買い言葉で家を飛び出してから一年。死の床にある父から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。手がかりはスケッチブックに描かれた若かりし頃の彼女の絵と、真山澪という名前だけ。その人と父の子供がいるかもしれないとも。かつて彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かったところ、僕の前に現れたのは、絵と同じ美しい女性と、若き日の父だった。

「眠りのための暖かな場所」
大学院に進んだ私は、担当教授の切なる願いで、ゼミに友達がいない結城ツトムと喋るはめになった。その後、すれ違えば会釈ぐらいは交わし、多少の言葉も交わすようになった。そこに結城のことが好きだという立川明美が事故に遭い、結城の幼なじみが現れ、信じられないような過去の話を語りだす。結城と私は、何かを抱えている者同士、間にある線を認めて抱えた冷たさを分け合う。

「シェード」
彼女の住むマンションへの行き帰り、通りかかるたびに覗いていたアンティークショップのショウウィンドウ。ずっと前からクリスマスプレゼントにしようと決めていたガラスのランプシェードだけが、そこからなくなっていた。場所を移しただけかもしれないという微かな期待に、僕はその店のドアを押した。そこで店主の老婆から語られるランプシェードにまつわる物語が、今の自分と重なりあって、僕を霞めていた霧が晴れていく。

2003/03

By China† | Time : 14:43 | CM : - | TB : - | Book*